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活動報告・メディア掲載
11.142025
金融教育はなぜ必要か (高校生など若年層編)

金融教育はなぜ必要か
2022年の民法改正による成人年齢の18歳への引き下げをきっかけに、日本の金融教育は新たな局面を迎えています。
高等学校では学習指導要領が改訂され、金融教育がスタートしました。
しかし教育現場では、金融教育について経験のない家庭科教員が対応するなど、未だ不安要素は多く残ります。
金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査(2022年)」によれば、金融教育を受けたと回答した人はわずか7.1%にとどまりますが、「金融教育を行うべきだと思う」と回答した人は71.8%に上ります。
この現状は、若年層から高齢者まで幅広い世代が金融トラブルに巻き込まれていること、そしてその件数が増加傾向にあることと密接に関係しています。
また、iDeCoやNISAなどの、国民の資産形成や経済的自立を促す政策が強化されています。
こうした背景のもと、金融教育は単なる知識の習得にとどまらず、消費者教育や資産形成、ライフプラン設計、金融トラブル防止など、多岐にわたる社会的課題の解決に不可欠な存在です。
参考サイト:
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/
生徒・学生における金融教育
成人年齢の引き下げやキャッシュレス決済の普及、SNSを通じた情報拡散など、若年層を取り巻く金融環境は大きく変化しています。
高校では、家庭科でライフプランのテーマなどが導入され、家計管理や資産形成について学べるようになりました。
しかし、学校が主体的に金融教育を行うことは、教える側の経験が浅く難しいようです。
また、中学生や高校生の場合は特に、受験に役立つわけではない金融教育を行っても、生徒たちが授業に対して積極的ではないという話も耳にします。
それでも、お金は誰もが切り離せないものです。
どのような仕事に就こうが、スマートフォンやSNSの普及に伴い、投資詐欺や儲け話など、若年層が直面する金融トラブルも多様化しています。
こうしたリスクに対処するためには、「お金が減る心配は無いのに1か月で10%もお金が増えるなんて話は怪しい」や、「訪問販売がしつこくて購入してしまった時にはクーリングオフできる」といった、契約の基本や消費者を守る制度についての知識と判断力が不可欠です。
高校生などの若年層への金融教育の実施例
認定NPO法人金融知力普及協会では、成人を迎える直前の高校生を対象に、金融教育を行う様々なイベントを行っております。
いずれも、楽しみながら金融や経済の知識を身につけられるようなプログラムを意識して運営を行っています。
(1)エコノミクス甲子園

高校生2人1組で参加する、金融と経済のクイズの全国大会です。
各都道府県で行われる地方大会を勝ち抜くと、東京で行われる全国大会に進出できます。
クイズ形式は筆記・早押し・プレゼンなど多彩で、全国大会の優勝者にはニューヨーク研修旅行が贈られます。
大会名称: 全国高校生金融経済クイズ選手権 エコノミクス甲子園
全国大会主催: 認定NPO法人金融知力普及協会
地方大会主催: 全国各地の金融機関有志
開催日程: 地方大会: 11月上旬~12月中旬
全国大会: 2月下旬
後援: 文部科学省、環境省、金融庁、消費者庁、金融経済教育推進機構(J-FLEC)、IFC国際金融公社
参加対象: 日本全国の高校生
参加費: 無料
公式HP: https://econ-koshien.com/
(2)リアビズ 高校生模擬起業グランプリ

高校生が模擬企業を立ち上げ、実際に商品を企画・販売する実践型の起業体験プログラムです。
オリジナルのビジネスプランを発表するだけでなく、プレゼン書類審査を通過したチームには実際に30万円の資金が貸与されます。
参加者は仕入れ・製造・販売・決算までを自ら行い、ビジネスの基礎と起業のリアルを体感しながらビジネスを行います。
最終的には成果発表会にて、活動で得た学びを総括する発表を行い、グランプリが決定されます。
お金やビジネスに関するリアルな学びを得られる、起業家教育やキャリア教育の先進的な取り組みです。
大会名称: リアビズ 高校生模擬起業グランプリ
主催: 認定NPO法人金融知力普及協会
開催日程: 応募期間:6月上旬
一次審査発表: 6月下旬
開店準備期間: 7月~9月
商品販売期間: 10月
決算期間: 11月
成果発表会: 12月
(日程は開催年度により異なります)
後援: 総務省、文部科学省
参加対象: 日本全国の高校生
参加費: 無料
公式HP: https://reabiz.jp/
(3)国際経済オリンピック(IEO)日本代表派遣事業

国際経済オリンピック(IEO)は、国際数学オリンピックなどと同じ国際科学オリンピックのひとつで、世界の高校生が経済学・金融リテラシー・ビジネスケースの3分野で競う国際大会です。
すべて英語で実施され、筆記試験やプレゼンテーションを通じて、知識・論理力・表現力が問われます。
認定NPO法人金融知力普及協会が日本代表の選抜・派遣を担っています。
日本代表は、国内の選考大会の優秀者を中心に、最終選考合宿となる「Economics Asia Convention(EAC)」を経て5名が選出されます。
2025年のアゼルバイジャン・バクー大会では、日本代表全員がメダルを獲得する快挙を達成しました。
大会名称: 国際経済オリンピック(International Economics Olympiad, IEO)
日本代表派遣:認定NPO法人金融知力普及協会
開催日程: 毎年7月下旬~8月上旬で10日間程度(開催地により異なる)
後援: 金融庁、金融経済教育推進機構(J-FLEC)
参加対象: 日本全国の高校生(選抜制)
参加費: 日本代表に選抜された場合の渡航費用、滞在費用は不要
公式HP: https://www.ieojapan.jp/




