IEO 感想文

柏谷脩太

1日目
昼からもう片方のホテルでアイスブレイクがあったので歩いて向かった。35°Cを超える暑さだったものの、日本に比べて湿度が低く、また丘の上からの景色も良かったので丸一日飛行機に乗っていた自分にはちょうど良い散歩だった。仲良くなったインドネシア代表の子たちと話していると彼らの漫画、アニメへの詳しさにとても驚いた。伊藤潤二の作品が大人気らしく、まさかギリシャで彼の名前を聞くとは思わなかった。その後テクニカルテストのために大学に向かうと自分のPCが壊れてしまい、使い物にならなくなってしまったので急遽大学のデスクトップPCを借りることとなった。完全に想定外のトラブルだったので対応してくださった現地スタッフの方にはとても感謝している。

2日目
ついに大会本番を迎えることになったが、時差ボケと長時間移動の疲労に加えて慣れていないPCを使うことになってしまったので不安を抱きながらのスタートとなった。それに加えて元々は持ち込み可能とアナウンスされていた電卓がオンラインであちらから提供されているもののみ使用可となり、これが1番の問題となった。元々Open Solutionでは論述タイプの問題より計算を求められる問題で得点しようと考えていたのでこの変更は大きな痛手となってしまった。さらに数式の入力も普段慣れていないTeXを用いたものだったため、問題そのものではないところに手こずることになってしまったのは悔しい結果となってしまった。

3日目
2つ目のパートであるFLGが開催された。去年のシミュレーションを用いた事前準備の段階ではよくも悪くも平均前後の得点を取れていたので本番でも最低限同様のパフォーマ
ンスができるようにと考えていた。開始して30分ほど経ったとき、急に自分の教室のデスクトップPCの電源が落ちてしまった。自分の教室だけで起きた問題なのか建物全体の問題なのかもわからず集中力が削がれてしまったものの、他の人も同じ状況だと考えて切り替えるしかなかった。ただそこから立て続けに電源が定期的に落ちるようになってしまった。昨日に引き続きハプニングが多い1日となった。

4日目
海に行くと聞いてバスに乗ったのに降りたのが山の中で驚いた。様々な国の人たちと会話しながらの30分ほどのハイキングは自分の知見が広がるとても有意義な時間となった。その後向かったエーゲ海での海水浴も色々な人とコミュニケーションをとることができる貴重な時間となった。 ビジネスケースに向けて休息を取ることが出来るはずの1日だったがとても充実感と疲労感のある1日だった。

5日目
ビジネスケースのお題を確認するために朝8時頃に起きたが、今年のお題は例年に比べてあちらから与えられる情報が少なく、前提条件を確認するのに時間を想像より使ってしまった。前日の疲労が全く抜けてない状態での作業は本当に大変なものだった。自分がプレゼン作りに慣れていなさすぎることに気付かされる1日となった。他の4人に助けられたこともあり、なんとか無事資料は完成したので10分間のQ&Aに向けて準備をしつつ日付を回った頃に眠りについた。

6日目
ビジネスケースの発表本番当日、運良く順番は最後から二番目だったため発表に向けて充分に準備をすることができた。そのおかげもあってか、10分間の質疑応答では元々想定していた質問しかされなかったためなんとか無事に終えることができた。しかしながら午後にあった決勝大会の完成度を見ると自分たちもまだまだ改善できる部分は多いと感じた。前日を含めビジネスケースの二日間はとても自分にとってためになるものとなった。

7日目
疲労を取るためにだいぶ遅めの朝食をとった後、モデレーションの裏でマカオの人たちとトレッキングに行った。それぞれの国での学校生活の違いや高校生の間で流行っていることなど、同じアジアの国でもスクールライフやカリキュラムは大きく異なっていることを知った。前日までが超過密日程だった分この日はだいぶのんびりとした1日を過ごした。

8日目
結果発表と閉会式が行われた。前日に経済、ファイナンシャルリテラシーの分の点数はおおよそ結果がわかっていたので、全てはビジネスケースの結果にかかっていた。結果としてはギリギリ銅賞に滑り込む形となった。自分にとっては最初で最後、国としても1年目、ほとんど情報がない中で何か一つでも結果を得られたことはとても嬉しかった。同時に日本人がしっかりと対策をすればもっと良い結果を目指せるとも感じた。後輩たちには是非頑張ってほしいし、できるサポートをしてあげたいと思った。

後藤康太

今回、IEO出場という、大変貴重な体験をさせていただきました。
世界大会に出場する、という経験はなかなか普通に生活していては出来ないものであり、こうした機会の場に出場できたことは、非常に良い経験になったと思います。

大会の結果に関しては、悔しい、の一言です。こうしておけば良かった、この部分をもっと対策しておけば良かった、という思いも数多くあります。しかし、他国の方のIEOに対する
やる気や、相当前の段階から対策を練ってきたという話を聞くと、やはりこの結果は必然的なものだったのではないかなとも思います。
全体のスコアとしても、日本勢としては2番手でしたが、世界で見ると100位台中盤。改めて、日本という狭い空間での環境に甘えてはいけないと思いましたし、世界という今よりももっと面白い空間が広がっているのかと、新たな期待を抱く事も出来ました。
大会そのものは、ギリシャの都市、ボロスのテッサリア大学で、経済学試験、模擬投資のゲーム、プレゼンテーションという3分野のスコアを競う形で行われました。

経済学試験については、当初は英語の問題に辞書一冊だけで乗り切るつもりでいましたが、大会前に急遽翻訳サイトが使えるというレギュレーションに。その為ほぼ問題のほぼ全文を翻訳して解いており、問題そのものでは、そこまで英語力は問われませんでした。とはいえ英語が無いとは言っても、問題そのものがやはり難しい。知識的な問題から、短い時間の中でかなり思考しなければいけない問題まであり、苦労したのを覚えています。

模擬投資のゲームについては、恐らく今でもネット上からデモ版がプレイできますが、内容としては、実生活に基づいた模擬投資をするというもの。セオリー通りにポートフォリオのバランスなどを考慮すると、生涯で得られた金額に加えて更にボーナスが入るので、よりセオリー通りに投資が出来ると良い、というゲームだったのですが、実態は別物。最高得点者の点数は恐らく自身のスコアの100倍に迫るほどの点数を取っており、セオリーとは違う手法を使って巨額のポイントを得ている、という話も聞きました。こういった裏技的な手法でポイントを得られるという部分も含め、ある種リアリティはあって良いとは思いましたが、一方で自身の手で先にそれを見つけられなかったことに対してかなり悔しい思いをしました。

プレゼンテーションについては、与えられたテーマに対して24時間以内にプレゼンテーションを作るという物でしたが、他国の発表を聞いた際に、そのクオリティと情報量に圧倒され、これが1日で作られるのかとかなり驚愕しました。プレゼンテーションに対しては日本代表として対策をほぼできなかったという側面もありましたが、やはり世界との差を如実に見せつけられた場面でした。

また、大会では他国の方と交流できる場面も数多くありましたが、交流をしていて個人的にかなり驚いたのは、参加者のほぼすべての方が英語を不自由なく話せるという事です。
英語圏であればまだしも、アジア、アフリカ、中南米の方でも、会話をするうえでは全く困らないレベルで英語が話せており、一般的な高校生レベルの英語力ですら危うい身としては、「英語が話せて始めてコミュニケーションのスタートラインに立てる」という事実にかなり驚かされました。やはり、世界に出ていく上で英語は本当に必須なものだと思います。しかし、高校生の拙い英語でも、話そうという気持ちさえあれば案外話は通じるものです。特に日本人となると、アニメや食などかなり向こうから関心を持ってくれる分野も多く、話も盛り上がりやすかったと思います。コミュニケーションが不自然に途切れる事も少なかったので、「自分って意外と英語話せるのでは?」とも思ってしまいましたが、やはり深い話をしようと思うと圧倒的に英語力が足りず、まだまだ勉強しなければならないことはたくさんある、と実感させられました。個人的には、今回の大会で英語に対するモチベーションが一番上がったような気がします。

また、交流のエピソードとして、丁度IEOの次の週に札幌に旅行で来る予定だった方とたまたま同じホテルで交流し、バンドをしているという共通点から話も盛り上がり、結果的に次の週には札幌で会い、向こうの方の出しているCDまで頂く事になりました。かなりの急展開でしたが、このようにIEOはひょんなことから始まる国際交流のきっかけにもなる場であり、非常に良い機会だったのではないかと感じました。

そして、ギリシャに来たからには、という事で、大会の合間や最後の数日間で、エーゲ海での海水浴や、パルテノン神殿などの観光もさせていただきました。ギリシャ旅行としても、
存分に満喫できたと思います。

改めて、このような大会に出場する機会を提供して頂きまして本当にありがとうございました。そしてこの大会にあたって、運営してくださった皆さん、協力してくださった皆さん、一緒にボロスまで行ってくださった皆さんには本当に感謝の気持ちしかないです。来年以降も、日本代表が活躍する事を願っています。ありがとうございました!

徳田有花

今回はこのような素晴らしい成長の機会を下さりありがとうございました。
初めに代表の一人に選ばれたというメールを頂いたときには、何度も詐欺メールを疑うくらいに信じられませんでした。また、エコノミクス甲子園でも甚だしい成績を残すことが出来なかった自分が、日本を代表していいのかと不安にもなりました。ですが、このチャンスを逃したら一生後悔すると思い、参加を決めました。

勉強期間は正直とてもきつかったです。元々の知識がゼロと言ってもいいくらいに少なく、与えられた教科書を読むのにも、横にスマホを置いて用語一つ一つを調べながらでないと出来ませんでした。また、学校の定期考査、課外活動、修学旅行、模試、エッセイの提出などがこれでもかと重なり、なかなかまとまった時間がとれませんでした。だから移動時間や休み時間などの隙間の時間を上手く使って学習しました。何より自分で決めたことは絶対にやりきるという自分の信念に反さないよう、自分なりにですが、全力で勉強しました。そんな勉強の甲斐あってか、本番では想像していたよりも点数が高く、すごくうれしかったです。(もちろん他の人と比べたら高いとは言えませんが…)本番では、最初に自分が過去問を解いたときの二倍近く取れていました。投げ出さず勉強し続けて良かったと心から思いました。しかし大会全体を思い返してみると、他の国の代表選手に圧倒されることのほうが多かったです。Economicsの点数、Business Caseの分析力、英語力などはもちろん、その強さにずっと押されていました。どれだけハードなスケジュールでも一切疲れを顔に見せずいつでも話しかけてくれる人、夢のために色々な活動に一人で取り組んでいる人、興味のあることや好きなことを突き詰めている人、など、目標の高さや意志の強さに、圧倒されつつも、自分も頑張ろうとインスパイアされました。また、世界中の人と友達になれたのも、IEOに出たからこそ得られたものだと思います。国が違えば、文化、食事、生活スタイル、宗教、考え方などすべてが違い、誰と、何を話していても面白かったです。

今でもお互いの国の生活や、カルチャーなどを話している友達もいて、日本にいて毎日同じ生活をしていては得られない視点を見せてもらえるので、すごく面白いです。このつながりを大切に、絶対にまた会いに行こうと思います。

今振り返って思うと、IEOに参加して良かったと心から思います。経済の知識はもちろん、世界中から集まった素晴らしい代表選手の人からも、ヨーロッパでの初めての生活からも本当に多くのことを学びました。一層経済が面白いとも思えて、自分のIEOでの目標がすべて達成できて良かったです。なかなか得られない世界大会への出場で、自分の出来る限り、多くの人から沢山のことを学ぶことができ、自分の人生にも良い影響を与えてくれました。

日本代表のメンバー、各国の代表メンバー、ボランティアスタッフ、協会の方など、長期間にわたって私たちを支えてくださった皆さん、最高の経験をありがとうございました。一生忘れられない思い出です。

浜野憲義

感想文、という事だが一先ず、Closing Ceremony直後に俺自身が書いたメモを以下に添付する。
「う~ん、まぁ、うん、つらっ、ていう気分。なんかすごく複雑な気持ちが絡まって、なんともいえない感情。自分の勉強が足りなかった、もあるけど、本番の力の出し方も良くなかったし、色々良くなかった。功名心にはやって、ギリシャに行った自分を厭悪した。全
く負託に応えられなかったし」この数行に本質は詰まっているように思える。一言で感想を!と問われても、答えられない、鬱屈として絡まった感情が渦巻いているような。この感情を自分なりにこの感情を解して、来年以降にIEOに挑む若者のために自分が如何に至らなかったかの反省を書き留めることにしよう。
まずは“Economics Test”から。この試験は、80分間で20問の4択問題に挑む“共通テスト”と、155分間で4問の記述式問題に挑む“二次試験”のアッビナメントである。何故このような比喩を用いたかと言えば、解いていてそんな感触を得たからだ。4択問題は経済学の教科書レベル(今回の日本チームでいえば「マンキュー 入門経済学」)からの出題が多く、問題文・選択肢ともにAll Englishであるという障碍はありながら、悠長に解く時間はない中で如何に「基礎基本」を落とさないか、という処理能力が問われる試験だったと思う。ただ、問題文はそこまで冗長でもないから、どちらかといえばセンター試験という喩えの方が適切かもしれない。一方で、“二次試験”と称した記述式問題が、自分からすると大きな反省点だった。この試験は全部で5つの大問がある中で、4つを選択して採点してもらう、という形式で、自分にとって一番難のある問題をスキップする事が出来る。この選択がかなり重要なわけで、今回で言えば最後の大問は素点で30点の配点(全て同じ)の中で平均点は2点を切る大問であり、選んではいけない問題である問題だったにも拘わらず選択してしまった。これは今回の試験でも重大な過失であった。この選択を変えるだけで素点で10点程度は変わっていてもおかしくなかったと思う。こういう要素も二次試験の数学とかに通づるものがあるから、“二次試験”と評している。大事なことは一旦、問題を一通り読んで、どれが自分に解けそうか、を見切る事だろう。ここに私の英語力のなさが足を引っ張っている。一通り見た時に、今一、問題の難易を把捉する事ができなかった。それで行き当たりばったりな解き方をしてしまい、時間が足らなかった。次年度以降に挑む人たちにアドバイスをするなら、時間 配分・問題選択の方法は決めておくと良いと思う。初め何分で一通り見て、真ん中何分で問題を解いて、その中で1つの大問には何分時間を使うのか、そして最後何分は見直しに充当するのか、これは個個人の特性によって採るべき戦略が変わってくる。過去問を自分で実際に1セット分、時間を測って解いて、案えると良いと思う。自分の失敗の一つは、直近の記述式問題に対して造詣が浅かった事だ。これは4択問題にも言えるが、過去5回に亘って行われたIEOの過去問は全て公式サイト上で公開されているが、第1回の2018年の問題を解くよりも、第5回の2022年の問題を解いた方が明らかに得点に直結する。大学入試など各試験にも当てはまることだが、試験には「傾向」が存在する。例えば、4択問題についていえば、昨年の試験に登場した問題と全く同じ、ほぼ同じ、といった問題が本年も出題されたりした。という中で、私は直近の問題セット(2022)を、時間を測って解いたことがなかった。(正確にいえば、4択対策での経済学の勉強に時間を割いていて、記述式にそこまでの対策を回せなかった)だからこそ、今後解く人はきちんと自分なりに戦略を組んで挑んでほしい。
次に、“Financial Literacy Game“だ。これに関しては、俺はあんまり知らないので、そんなに対策を大上段に構えて書くことはできない。私の失敗を書いておくと、これは30年間の模擬投資ゲーム(投資中心の人生ゲーム的な)なのだが、30年目のターンエンドを制限時間2時間で残り2秒の時にクリックしたら、反映されずに終わってしまった、という事だ。始まる前に噂として30年全部終わらせないとダメ、みたいな話を聞いていて、終わらなかったら0点だと思い込んでおり、終わった瞬間に冷や汗がドバッと出た。このGame終了後に、Volos街を散策したが、あまりの失態に、泣きかけた。折角、徐々に蟠りが氷解してきて旅を楽しみつつあった途次、一気に心が打ち砕かれた。このGameで突き抜けて成功する方法としては、多分、他の誰かが書いていると思うが、不動産投資を中心に据えることだとか。引率の鈴木さんは、現実でも不動産投資は上手くやればめっちゃ儲かる、と言っていたから、現実の人生に意外と即しているのかもしれない。最後に、“Business Case”。これに関しては慣れだと思う。“Grand Finals”に勝ち進んだ精鋭のプレゼンやスライドを見るに、各国とも常套手段とも言うべき分析の方法があったり、スライドの作り方にも抽象化すると似たものがあったり、とそれなりの定石があるのだと思う。完全に私は守備範囲外だから、過去の良いプレゼン・スライドを研究して頑張って欲しい。今回の私たちの挑戦を振り返れば、随分と柏谷先輩頼みだったと思う。先輩が大学で勉強していること(地理)から援用したり、質疑応答フェーズでは、先輩に回答を全て委せたりと。ほぼ無対策にしては、壊滅的ではない点数を取ることが出来たのは、柏谷先輩の力に依るものが大きい。
全体的に苦しんだところで言えば、夜の遅さだ。何やかんやあって夜の11時とかまで晩御飯を食べて、そこから3人が順番にシャワーを浴びてから、次の日は朝8時に朝食とかで毎日長くて7時間弱、平均5~6時間という生活で、普段8時間睡眠を是としている私からすると永久に少しずつ体力を削られ続ける生活で、生活面ではかなり苦しんだ。NYでは1日で大きく疲れて長く寝て回復して、という感じだったが、今回は1日の疲労はより少ない分、疲労が蓄積し続ける過酷な旅だった。と、ここまで自分の至らなさと感想と対策法を書いてきたから、最後は楽しかった思い出を書こうかと思う。ギリシャへ発つ前、東京は浜松町で壮行会的な事があったが、その後、浜松町駅近くの飲食店で出国前最後の夕食を食べた。その時、お隣には亀山さん(協会の人)がいて、NYでは5泊7日を共にした相手だが、ついに打ち解けて仲良くなった。あとは、数日かけて実質、初対面だった柏谷先輩とも親睦を深めた。知識でふざける、ということが出来る友達は多くないからこそ、気の合う人と逢う事ができて良かった。あまりに打打発止で喋るから、ラジオみたいとも言われた。彼との会話は旅行中かかり続けた身体的・精神的ストレスの解消に随分と貢献してくれた。あとは、文化交流の時に日本チームの出し物として、YOASOBIの『アイドル』を踊ったことも、7月中旬にあった学校祭の延長戦といった感じで面白かった。ただ、本番は振り付けを飛ばして、力不足ながらセンターを務めたが、大分適当な振り付けで踊ってしまった。後から、そういえば小学生の時も運動会で振り付けを飛ばしていた、と思い出し、学校祭で踊ら
なくて良かった、と思った。あとは、この旅のメイン「パルテノン神殿」だ。午前8時に開場するということで態々30分前から並び、混雑する前に一通り見切る事ができた。帰る頃には多くの人がごった返していて、作戦勝ちだな、と思った。その後に寄った博物館
内のカフェで飲んだ“Fresh Peach juice pulp”も暑さの中で喉を潤してくれて美味しかった。帰国後、最初に食べたのは羽田空港にあったローソンで買ったからあげクン 瀬戸内レモン味。最高に美味しかった。空港直結のホテルで一泊し、翌朝、飛行機で北海道へ、14日ぶりに帰札した。エコ甲全国大会、NY研修旅行、と一 直線に札幌へ帰った事がなかったから、三度目の正直でやっと無事に帰り、新千歳空港では、カナダへ転校する同級生が、ちょうど私が空港についてから、成田への飛行機に乗ることになっていたため、そのまま出発ロビーへ直行して、別れを惜しんだ。この旅を総括すると、よく頑張った、という感じ。言い訳をしておくと、私がエコ甲を優勝できたのは、「常識力」と「直観力」に依るもので、「経済学」はあまり得意分野ではなかった上に、7月中旬にあった学校祭と体育大会の準備や運営に大きく時間を割いて、長い時間は勉強できない中で、その時時で与えられた課題に全力で挑む姿勢を崩さずにいたことは良かったと思う。ただ、全力で挑むという気持ちが強すぎて、冷静な判断力を失って、精彩を欠いたこともまた事実だと思う。大変な2週間であったが、自分には、よく頑張った、と言ってあげたい。

根間瑛蓮

長かったようで、あっという間に過ぎてしまった2週間でした。開催地ギリシャは、とても素敵な場所でした。食事もおいしく、街並みも日本とは違い、穏やかな感じでした。赤瓦やゆったりとした雰囲気は、私の住む沖縄と似ており、親近感を持ちました。

Day0 壮行会 初めてチームメイトに直接会って、とても緊張しました。たくさんの方から激励をいただき、本番が近づいていることを改めて感じ、身が引き締まりました。また、校長の言葉を聞き、緊張がほぐれました。その後みんなで夕食を食べ、勉強し、フライトの準備をしましたが、この日だけでも協会の皆さんやチームメイトにたくさん助けられました。素敵な人たちに出会えたことに感謝しています。

Day1 移動日 初めての国際線フライトで、とてもワクワクしていました。実際には、ほとんどの時間、economicsに向けての勉強をしていました。わからない点をチームメイトにたくさん質問して、教えてもらいました。エコ甲出身の4人の隣にいて、私は彼らの凄さに驚いていました。彼らのおかげで、充実した勉強時間でした。雲上での明け方の景色は、とても綺麗でした。ゆうかや他のチームとも仲良くなれて、素敵な時間になりました。ドーハ行きの飛行機で、隣に座っていたフランス人の女性と英語でお話をしました。英語力に自信はなかったのですが、話すことが楽しく感じました。また、アテネ行きの飛行機では、ギリシャ人の男性と、英語でお話しして仲良くなりました。自分自身の英語力などを気にして尻込みせずに、話しかけてみると、コミュニティがどんどん広がっていくのだと思いました。そして、一期一会、一つ一つの瞬間をもっと大切にしようと思いました。

Day2 ギリシャに到着し、他の国の選手とも合流した日です。バスに乗って移動し、途中のサービスエリアでメキシコの選手に声をかけられて、チームメイトのゆうかと一緒にお話をしました。とてもフレンドリーで、すぐに仲良くなりました。メキシコの選手やブラジルの選手らはとても明るくて、バスの中でも音楽を流して、楽しそうでした。私は眠気とマンキューと戦っていました。

Day3 開会式、レクチャー 会場にいる色々な国の選手と、用意してきたお菓子を配ったり、名刺で連絡先を交換したりして、交流しました。予想していたよりもオンライン参加の国が多かったです。昨年参加したというスロベニアの選手がいて、彼女は昨年銅メダルを獲得したと話していました。どこの国から来たのか、どのテストに一番自信がある?などといった会話をし、楽しかったです。特に、マカオのチームとはホテルが一緒で、またチーム全員女子で、とても親近感を持ちました。ゲーム理論やAIについてのレクチャーを受け、英語で聞き取るのも理解をするのも私にとってはハードで、ここでもチームメイトにたくさん助けられました。

Day4 Economics本番 得点の半分を占めるeconomics。500ページ以上あるマンキューを読んで、過去問も解いて、チームメイトにもたくさん教えてもらって。Economicsに向けて、私なりに頑張りましたが、不安でいっぱいでした。試験中は、出せるだけの力を振り絞りました。結果:とても悔しいです。自信を持って挑めるほど準備ができなかったので、次はもっと自信を持って挑めるように頑張りたいと思います。この悔しさをバネに、私にとってここがスタートなので、これからたくさん勉強して、成長していきたいと思います。

Day5 FLG 練習では30万ほどしかスコアが取れず、また事前の対策でも100万を超えることがなかったので、economicsは終わったものの、不安でした。結果、うまくいったのかというと自己ベストではありました。億単位でハイスコアを獲得した人たちはreal estate戦略を使っていたそうなので、実践してみたいです。

Day6 Break-day トロッコ列車に乗り、海へ向かいました。波が強く、漂っているだけで楽しかったです。ゆうかにとっては、海は初めてか2回目の体験だったようです。みんなで海に飛び込んだのが一番楽しかったです。海で泳いだ後、アイスクリームを食べて、お土産を買い、ホテルへ戻りました。とても充実して、楽しい1日となりました。

Day7 Preparation for BCS 全員で早朝から準備に取り組み、しゅうた君が中心となり作業を進めていきました。途中、仕組みや問題の意図、分析の結果に対して疑問を抱き、なかなか前進していかないこともありましたが、夜中提出時間の約1時間半前に提出を完了しました。パワーポイントを使って、資料を作成しましたが、前年度のBCSのピッチのレベルには程遠かったです。

Day8 Business Case Study 発表本番、スクリプトを用意していたので、それに従って聞き取りやすいように話そうと意識しました。ただ、zoomであってもジェスチャーはする必要がありました。質問に対するしゅうた君の対応力と英語力に感激しました。また、Grand Finalでは、他の国の英語力がとても高いことが明らかでした。10分間に伝えることのできる情報の量が私たちとは異なり、また彼らの分析は、私たちがこれではいけないと思って選ばなかった結果を用いており、驚きました。どんな値を用いたとしても、分析をしたという結果が大切であり、また彼らと私たちで異なっていた点は、提示された問いにさらに踏み込んでオリジナルな提案を加えていた点です。私たちなりに前日の準備や発表練習を頑張りましたが、Grand Finalの各国の発表を見て、彼らの英語力や分析、ピッチスライドのレベルの高さに圧倒されました。24時間という限られた時間の中で、あのレベルのプレゼンテーションを完成させる彼らのように、私もなりたいと思いました。今は彼らが目標ですが、次は彼らと対等であると自信を持って取り組めるように頑張ります。

Day9 Break-day みんなでビデオゲームをしたり、Team Japanと過ごしました。このメンバーと一緒に過ごしてもう1週間以上経つことが驚きでした。残り1週間もない一緒に過ごす時間を大切に過ごしたいと思いました。

Day10 閉会式 しゅうた君が銅メダルを獲得し、みんなでとても喜びました。最後まで頑張って、とても良い経験となりました。日本でIEOに向けてのような経済学の勉強をしている高校生は私たちくらいしかいない、かもしれないけれど、世界にはこんなにもレベルの高い人たちがたくさんいて、日本とは全然違うなと感じました。もっと広いところにも目を向けたいと思いました。日本から飛び出して、海外の大学で経済学や経営学などを学ぶ、という道にとても興味を持ちました。

IEOに参加する前と後で、私は、自分の進路や将来、教育や日頃の学習などに対する感じ方や考え方が大きく変化したように思います。そして、たくさんのインスピレーションを与えてくれたTeam Japanのメンバーや金融知力普及協会の皆さん、各国代表の選手たちやIEO2023をサポートしてくれた全ての人たち、家族に感謝を伝えたいです。本当にありがとうございます。こんなに素敵な機会をいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。約2週間、とても充実して、楽しくて、カラフルな期間でした。この経験を大いにこれからに活かしていきます。

こうた、あきよし、しゅうた、ゆうか。ありがとう。それぞれの目標に向かって進んでいく中、どこかでまた、みんなと会えますように。

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